深沙大王堂
日光門前町

深沙大王堂(じんじゃだいおうどう)

みどころ

神橋を日光山側に渡った場所にある小さなお堂です。勝道上人が日光入山の際、大谷川に足を止められた時に対岸に深沙大王が現れ助けてくれました。(詳しくは神橋の写真) 深沙大王は、玄奘三蔵が旅の途中、砂漠で一滴の水を得ることができず、息絶えようとしている時、流砂の中より現れて護ったといわれています。
深沙大王は、その奇異な姿に驚かされます。髪を逆立て、眼を見開き、顔の半分もあろうかと思われる大きな口を開け、物凄い形相で、普通では考えも付かないような、姿をしています。その姿で最も特徴的なところは、膝頭から象の顔が出ていることです。これは「象皮の面」といって、象の顔が付いた皮の半ズボンらしいのです。と言うことは、あの大きな象の顔がいとも簡単に、しかも半ズボン状態になるのだから恐れ入ります。
次に特徴的なのは、ドクロを胸飾りとしていることがあげられます。このドクロを飾りとするのも大威徳明王・伊舎那天・降三世明王・軍荼利明王などと同じであることがわかりますが、いずれも仏教化される以前の姿を色濃く残しているものと考えることができます。
深沙大王の場合ですと、七つのドクロを胸飾りとするのには、玄奘三蔵が七度生まれ代わった、それぞれの頭蓋骨であると伝えられています。深沙大王の信仰は、砂漠の熱風や悪疫の難を除く、旅人の守護神として、また玄奘三蔵がインドから持ち帰った「般若経」の守護神としてまつられました。深沙大王は毘沙門天の化身とも言われています。高野山の霊宝館に絵や像があります。